
急に具合が悪くなったら?具合が悪そうな人を見かけたら?……応急手当の方法や救急車の呼び方をご紹介します。
熱中症とは、高温多湿な環境に長時間いることで、体温調節 機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもった状態を指します。屋外だけでなく室内で何もしていないときでも発症し、 救急搬送されたり、場合によっては死亡することもあります。熱中症について正しい知識を身につけ、体調の変化に気をつけるとともに、 周囲にも気を配り、熱中症による健康被害を防ぎましょう。
厚生労働省|熱中症予防のための 情報・資料サイト
特に子どもは大人と比べて地面に頭が近く、また体温調節の能力が発達していないこともあり、より気を配る必要があります。
熱中症の主な症状として「めまい、失神、筋肉痛、筋肉の硬直、大量の発汗、頭痛、不快感、吐き気、嘔吐、倦怠感、虚脱感、意識障害、けいれん、手足の運動障害、高体温」などがあります。
重度の症状は熱射病とも呼ばれています。ひとつでも当てはまれば重症と考えましょう。
- 意識障害(意識がはっきりしない、受け答えがおかしい)
- 高体温(40℃以上)
- まっすぐ歩けない
- 全身けいれん
熱中症の怖いところは、軽症から始まるとは限らない、いきなり重症(熱射病)になる場合もあることです。少しでも身体に異変を感じたら休むようにしましょう。
熱中症は一般的に、発症から20分以内の手当てが必要と言われています。熱中症の疑いがある場合はすぐに対処しましょう。厚生労働省のサイトに熱中症が疑われる場合のフローチャートがあるので参考にしてください。
体調に異変を感じた場合はすぐに涼しい場所へ移動して安静にしましょう。また少し休んでも症状が良くならない場合は医療機関を受診しましょう。
- 涼しい場所へ移動する(風通しの良い日陰、エアコンの効いた室内など)
- 衣服を緩めて楽な体勢に
- 水分と塩分をとる(スポーツドリンクや経口補水液があると良い)
- 身体を冷やし安静にする
意識がない(はっきりしない、受け答えがおかしい)、自力で水分補給ができない場合はすぐに救急車を呼びましょう。
- 119番へ電話をかける
- 「救急です」と伝える
- 来てほしい場所を伝える(住所を市区町村から、または施設名)
- 症状を伝える(意識がない、けいれんしているなど)
- 通報者の名前と連絡先(電話番号)を伝える
消防庁に救急車利用のマニュアルがあります。熱中症以外の場合も手順は同じなので、いざという時のために読んでおきましょう。
救急車の到着までは平均8分、出動要請が多い時期や交通状況次第ではもっと時間がかかる場合があります。救急車が来るまで応急手当をしましょう。
- 涼しい場所へ移動する(日陰、エアコンの効いた室内など)
- 仰向けに寝かせ、足を約30度挙上する(バッグなど手近なものに足をのせる)
- 衣服を緩める(必要に応じて脱がせる)
- 肌に水をかけ、うちわなどで扇ぎ全身を冷やす(冷たすぎない、常温が望ましい)
- 首、わきの下、股関節(太ももの付け根)を冷やす(保冷剤、冷えたペットボトル、濡れタオルなど)
意識がはっきりしない場合や嘔吐がある場合など、自力で水を飲めない人に無理やり水を飲ませることはやめましょう。窒息や誤嚥の可能性が高く危険です。自力での水分補給が困難な場合はとにかく身体の外側から冷やしましょう。
